CROSS TALK
クロストーク
#01
SDGsとDXで未来を拓く。ヤマダイグループ若手メンバーの挑戦
YAMADAI GROUP
ヤマダイグループの未来を担う若手3人が、SDGsやDXに向き合いながら挑戦を続けています。
現場を知り、学びを深め、自らの手で事業や仕組みを変えていく——。
地域とともに育ってきた企業だからこそ踏み出せた、持続可能な未来への第一歩を紹介します。
すぎやま
ヤマダイグループ
経理課
ヤマダイ大作運輸の経理を担当。自然災害やサイバー攻撃による事業停止を未然に防ぐ同社の「事業継続力強化計画」を中心となって策定し、2025年4月に経済産業省の認定を受ける。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。
ひらだて
ヤマダイグループ
経理課
主に本社や派遣事業の経理を担当。カーボンニュートラルの実現に向けて大学教授などの専門家にアドバイスを受けながら推進戦略を策定中。GX(グリーン・トランスフォーメーション)検定取得を目指す。趣味はギターとバイク。
わたなべ
ヤマダイグループ
人事課
グループ社員の勤怠管理や給与計算を担当。ロボットツール(RPA)やデータ分析ツール(BI)、アプリ開発などを駆使して事務作業の効率化やペーパーレス化を進めている。趣味は手芸、愛読書は「母性」(湊かなえ)。
「何をしたらいいんだろう」迷いながらスタートしたSDGs・DX推進委員会
皆さんが中心メンバーとして関わっている「SDGs・DX推進委員会」は、どのように始まったのですか?
具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか?
すぎやま
私が担当した大作運輸の事業継続力強化計画策定では、最終的に経済産業省の認定を受けることができたんです。経理という立場上、それまで現場の人と関わる機会があまりなかったので、まずは現場と密に連携を取って現状を知ることから始めました。例えば災害時の連絡網や、人員体制整備などですね。
ひらだて
いざという時に連絡が取れないとなると困りますもんね。
すぎやま
電話番号が変わっていたり、間違えて登録したりしているケースも意外と多いので、改めて確認することの重要性を感じました。他にも様々な項目で「今はこうしているけど今後こうしていきたい」という話を現場として、計画を練っていきました。
今後は他のグループ会社でもBCPを進めていくんでしょうか。
すぎやま
そうですね。リモートを駆使したりして進めていきたいと考えています。大作運輸は本社と場所が同じなので連携が取りやすいというところでスタートしたのですが、それでも経済産業省の認証を受けるまでに話し合いや手続きを重ね、全体で3ヶ月くらいかかったので大変でした。
わたなべ
グループ会社で事業内容も幅広いので、まずは自分の身近な分野から少しずつ着手するのが大事ですよね。私の場合はDX担当として一年ほど講座を受講したのですが、会社にたくさん届く郵便物を全て手入力で管理していたのを改善したいと思って、管理アプリを作成しました。社内では他にも「こういうことで困っているんだけど、アプリでなんとかならない?」と言ってもらえることもあります。今後は違う会社にも応用していきたいですね。
すぎやま
作業のデジタル化は環境に良いだけでなく、仕事の効率化という面でも大きいですよね。大作運輸のガソリン代の請求業務では、丸一日かかっていた仕事がデジタル化によって半分くらいの時間で済むようになりましたし。
ひらだて
私はGX担当として、函館短期大学の学長と意見交換をする機会があったのですが、その中でSDGsが学生の必須科目になるというお話を聞きました。学生がしっかりわかっていることを会社がわかっていないわけにはいかないですよね。なので今はGX検定の取得に向けて勉強をしています。経済産業省の認定もそうですが、名刺に載せられる実績を作れると説得力に繋がると思います。
わたなべ
まさに「SDGs博士」になれそうですね(笑)。
納豆の工場見学から考える、食品ロス対策とカーボンニュートラル
先日ヤマダイフーズプロセシングの納豆工場見学に行ったんですよね?
ひらだて
はい。食品を扱っているという点でSDGsとの関わりが深いだろうという考えから工場を見学することになったんです。実際に現場を見たことで気づくことも多かったですね。
すぎやま
私がまず驚いたのは工場内の暑さですね。「こんな大変な環境でつくっているのか」と感じました。その大変さに対して、販売価格は100円程度ですから。デジタル化などで少しでも効率化できる工程がないか考えながら見学しました。
その他にも気付いた点はありましたか?
すぎやま
工場では検査やチェックのために、食べられる状態でありながら捨てられてしまう納豆があることを知りました。それも結構な量なんです。
わたなべ
それでも全体で見ると捨てられるのはすごく少ない割合らしくて。この少ない割合にどこまで力を入れていけるのかは難しいところだと思いますが、食品ロスに直結する部分なのでなんとかしたいですよね。
すぎやま
コストをかけすぎると結局マイナスになってしまう。難しいバランスだと思います。
ひらだて
SDGsを学んできて、カーボンニュートラルの必要性も強く感じています。すでに工場にはソーラーパネルが設置されているのですが、2022年と2023年を比較してどれだけCO2が削減されたかという資料も作ったんです。まだまだ現状を把握する段階ではありますが、最終的には納豆製造で排出されるCO2を実質ゼロにできたらいいと思います。
わたなべ
これから、見学を通して3人が感じたことを共有して、これまで勉強してきたことを活かしながらアイデアを出していきます。
ひらだて
個人的には工場で出た廃棄物を肥料にして野菜を育てるのも夢があるなと思っています。それでCO2を吸収するという。
すぎやま
新しい会社を作ることになるかもしれませんね(笑)
グループを越えて地域を支える。3人が切り開いていく未来とは
今後、活動はどう広がっていくのでしょうか?
すぎやま
まずは先ほど話に出た管理アプリなどは全社でも実現しやすい気がします。
わたなべ
ただ、会社によっては高齢の社員が多いところもあるので、デジタル化による対応がスムーズに運ばない可能性もあるとは思います。目的と手段が逆転しないように気をつけて、デジタル化にこだわらず「今やっていることの改善に繋がるなら」という視点で取り組んでいきたいですね。
すぎやま
やはりまずは現場を見ることからですね。
わたなべ
事務職をやっているとどうしてもパソコンと向き合ったりする時間が長いので、コミュニケーションのきっかけを作る意味でも、実際に他社の話を聞きに行ったり現場に足を運んだりすることが大事だと思います。
すぎやま
私は市場での競りも見学に行きましたが、初めてだったので何が行われているのか全然わかりませんでした(笑)。でもそうやって表に出ないところで地域とも繋がっているんだと感じましたね。
ひらだて
大学と意見交換をしたこともそうですが、地域との繋がりは感じますよね。ヤマダイフーズプロセシングでは子ども食堂に納豆を届けて食べてもらう活動もしていて、私たちもお手伝いの声をかけてもらうことがありますし。
わたなべ
大々的に目立つわけではないけれど、土台になっているというか。
すぎやま
大作運輸はスーパーやコンビニへの配送も手掛けているので、災害などで一日でも止まってしまうと大きな影響が出ます。事業継続力強化計画の策定を通じて感じたのですが、事業が継続ししていること自体が地域を支えていることになるんですよね。
ーグループだけでなく、地域の未来にも関わっているんですね。
ひらだて
私たちが「SDGs・DX推進委員会」に選ばれたのも、未来を担っていく若い社員だったからだと思っています。できる、できないは別として、若者だからこその夢のある発想が期待されているのかもしれません。
わたなべ
今後も私たち3人が中心になって、上司や社長も巻き込みながらSDGsやDXを推進していこうと思います。そしてそれが生まれ育った函館という地域のためになったら嬉しいです。
まとめ
ヤマダイグループの事業内容は幅広く、各社が抱える課題も様々。SDGs・DX推進委員会の3人は現場の声を大切にしながら、身につけた知識と技術、そして若さあふれる発想でそれらを解決しようとしています。グループ全体と、函館という地域の未来のために、これからも活動は続いていきます。
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ABOUT
ヤマダイグループについて
わたなべ
委員会は2023年から少しずつ始まりました。まずは「これをやってほしい」と任されたという感じで、担当する分野もそれぞれの適正を見て割り振られました。最初は何も知らないところからのスタートでしたね。
ひらだて
私は「SDGs博士になってほしい」と言われて。SDGsという言葉は聞いたことがあったものの、具体的には「何をしたらいいんだろう」という状態だったので、まず勉強から始めました。
すぎやま
最近では個々に異なる課題に取り組んでいますが、委員会の結成当初は何回か集まって勉強会のようなものを開いたり、「どう進めていこうか」という話し合いをしましたね。
わたなべ
SDGsと言っても抽象的で幅広いので、どう目標を立てるべきか迷いました。せっかくいいアイデアが出てもそれを実現する力がなかったりと難しさもありましたが、期待してもらえているのかな、と嬉しかったのを覚えています。